2025/11/10(月)
ずっと心臓がバクバクしている。ZINEフェスまであと5日しかないのに、まだ原稿ができていないのだ。
脳のバックグラウンドにずっと「やばいやばいやばい」という言葉が走っている。このままじゃ「やばい」以外考えられなくなる、と思って、いったん紙に「やばいやばいやばい」と書き出してみたらちょっとだけ楽になった。その行動こそがやばいが……。
拭いきれない焦燥感を抱えながら仕事をしていると、昼前になって突然バタタタタという音がベランダのほうから聞こえてきた。驚いて窓の外を見ると、大粒の雨がコンクリートを激しく叩きつけている。一気に降り出した雨は、短いあいだに小さな川のような流れまで作っていた。ほんのついさっきまで晴れていたはずなのに、と思って視線を上げると、空だけは急な雨に追いつけずにいるかのようにピカピカと明るい。狐の嫁入りだ。
思わずベランダに出て、外の様子をぼんやりと眺めてみる。妙に神秘的なその様子をいつまでも見ていたくなり、しばらくそこに立ち尽くしてみたけれど、結局30秒もしないうちに飽きてしまって部屋に戻った。
昼休み、すっかり雨が止んでいたので、ZINEフェスで使うコインケースを買いに行こうと外に出る。すると、濡れた地面や木の葉が太陽に照らされてキラキラしていた。世界が丸ごと洗われたようで、清潔な光が広がっていた。
狐の嫁入りはなぜこんな「街の丸洗い感」を伴うのだろうと考えながら100均へ向かう。もしかしたらガソリンスタンドの洗車機に入り、車内から外を眺めているときの景色に似ているからなのかもしれない、という結論に思い至り、そしたらものすごい発見をしたような気分になってドキドキした。ほしかったコインケースは見つからなかったが、胸の高鳴りは未だに持続していたので明るい気持ちで帰宅。
夜、イベントの告知をしていいないことに気づく。急いで下書きフォルダに入れっぱなしだった週報を完成させて、最後にZINEフェスの告知も入れてアップした。
ブログを書いたらなんだか満足してしまい、日付が変わるころには布団に入ってしまった。明日は頑張る。
2025/11/11(火)
たくさん寝れたのでスッキリ起床。仕事を始めようとしたら、机の端の方に「やばいやばいやばい」と書かれた紙が置かれていて笑ってしまった。バイオハザードみたい。この机は、間違いなく追い詰められている人のものだ。
夜はひたすらに原稿を進める。2時過ぎに眠くて仕方なくなったので、5時にアラームをかけて寝る。
2025/11/12(水)
5時に目覚めることはできた。できたのだが、起き上がった途端にめまいがしてその場に倒れ込んでしまったので「危ないからしっかり眠ろう!」と思って再び布団に入ったら次に目覚めたのは7時だった。
夜は相変わらず原稿原稿原稿。
今回出そうと思っている2冊の本の中身が、どちらもやっと8割くらいできてきた。もうすぐ完成するじゃん!と思って嬉しくなっていたら、心の何処かで「原稿というのは初稿が出来上がってが長いのだよ〜」と思う自分がいた。今ここでテンションが落ちたら全部がおしまいになってしまう気がしたので、冷笑する自分を無視する。そうだとしてもただひたすらにやるしかないのだから。
日付が変わったくらいで眠すぎるから何か気分転換になることをしようと思って、無料配布しようと思っているおみくじのイラストを描き始める。ちょっと描いたらすぐに原稿に戻ろうと思っていたのに、テキストエディタ以外の画面を見れるのが嬉しすぎて、気がついたら1時間近く時間が経過していた。
やばい!やばい、と思って原稿に取り掛かろうと思ったが、眠すぎて何も考えられなかったので布団に入る。この前買った島本和彦先生の本を読んでいた。
むっちゃ元気が出る。元気になって5分だけ原稿をやって、やっぱりに眠いからと思って4時に寝た。
2025/11/13(木)
今日は一日原稿とZINEフェスの準備。どうせ直前に余裕なんてないだろうと思って、この日は前もって休みにしておいたのだ。
娘を保育園に送り出してから、ひたすらに原稿を書く。書いて書いて書き続けて、昼過ぎにやっと日記本の方の初稿が上がる。これで最悪、これを印刷して綴じてしまえば、当日に並べるものがないなんていう最悪の事態は避けられる!と思ってたら全身の力が抜けた。とはいえ、それは想像しうる限り本当に最最最悪の事態で、そんなことをしてしまったら後日「なんであんな本を売ってしまったんだ」と思うに違いない。なので、これからしっかり時間をかけて推敲して直していかなければ……。
その後もずっとパソコンと向き合い続け、夕方頃にはスカッと系シナリオライターのZINEの原稿も8割位出来上がった。この調子なら、明日は寝ずに作業をし続ければ、当日は2冊の本を机に並べられるんじゃないか?と思って嬉しくなる。ルンルンで保育園に娘を迎えに行き、ルンルンで夕飯を食べる。
夜は夫に娘の寝かしつけを担当してもらって、私は近所のファミレスへ行って作業を進める。22時すぎのファミレスは1人で来店している人が多い。同士だ、と思う。心強い。「お互い頑張りましょうね〜」なんて思いながらニコニコ顔で店内を見渡すと、隣の人がグラスワインを飲みながらパソコンをいじっているのが目に入った。あら……いいですね……となり、思わず私もビールを注文しそうになったが、いまアルコールを摂取したら何もかもが中途半端に終わりそうな予感しかしない。タッチパネル式メニューのアルコール欄を眺めるところで、なんとか踏みとどまった。
その後はファミレスの閉店時間まで作業して、家に帰ってシャワーを浴びてからもキーボードを叩く。スカッと系シナリオライターのZINEも初稿が8割くらい完成。もう少し頑張ろうと思ったけれど、さすがに睡魔に勝てなくって1時すぎに寝た。
2025/11/14(金)
午前中は仕事をして、午後は娘の用事をサクッと済ませたあとに、すぐに原稿に取り掛かる。
まずは昨日出来上がったはずの日記本を読み返す。そしたら、面白くなさすぎてびっくりした。なにこれ、起こったことを順番に書いてるだけじゃん!読んでいて「だからなに?」という感想しか浮かんでこない。そこに書いていない出来事を頭の中で補完できる私ですら面白くないんだから、何も知らない人が読んで面白いわけない。めちゃくちゃショックを受けて、もうスカッと系シナリオライターの本なんてどうでもいいから、とりあえず日記本を納得行くまで直そうと思って、元あった文章を大幅に消して書き直す。
ひたすら書いていたら、娘のお迎えの時間くらいでやっとなんとなく全体的に整ってくる。キリの良いところまで終わらせて、娘のお迎えに行き、スーパーでご飯を買って帰る。夜はまた夫に寝かしつけをお願いして、昨日と同じファミレスに行く。
日記本をゴリゴリ書き直す合間に、スカッと系シナリオライターの方も読み直してみたら、そっちも面白くなかった。無心で直していく。削って削って削って、ちょっとだけ書く。集中力が高まりすぎて、閉店までにかなりの量を直してしまった。読み直してみたら、なんだか結構面白い本ができた気がしてテンションが上ってきた。昼間は日記本さえ出せればスカッと系シナリオライターの本は出せなくてもいいと思っていたが、やっぱりこっちもイベントに持っていきたい。誰かに読んでほしい。
寝なければ2冊だせるんじゃないか?と思って、ファミレスでコーヒーをガンガン飲んでから帰宅。
家に帰ってもひたすらに作業。風呂にも入らずひたすら書く。
2025/11/15(土)
ZINEフェス当日。結局徹夜したが、なんとか2冊出来上がった。よかった。
ZINEフェスは最高だった。出てよかった。諦めなくてよかった。
イベントが終わったあとは、友だち夫婦と飲みに行く。今日はきっとすぐに酔ってしまうから気をつけないと、と思っていたのに、居酒屋についた途端に満足感・達成感でいっぱいになってメガジョッキの生ビールと瓶ビールを1杯飲んだ。
2025/11/16(日)
久しぶりに8時間寝た。脳がフレッシュな感じがする。良い朝だ。
ここ数日、放置していた家事をこなす。合間にメルカリで買って届いていたキーボードの動作確認をする。このキーボードは、ZINEが出来上がらなかったらどうしようというストレスで、衝動的に買ってしまったもの。自分に使いこなせるだろうかと思いながらも試しに1つのキーに指を沈めてみると、霜柱を踏んだような音がして楽しくなった。
昼間は娘と一緒に公園へ行く。真っ暗になるまで遊んでヘロヘロ。夕飯は「サンドイッチパーティーがしたい」という娘のリクエストにお答えして、テーブルに8枚切りパンと、卵サラダとツナとマヨネーズを和えたやつ、小さくちぎったレタスや薄く切ったミニトマトやアボカドをテーブルに並べてみた。
それをみた娘ははしゃぎながら野菜だらけのサンドイッチをつくり「できた!ナニコレサンドです〜〜!!」と言ってニコニコしていた。「ナニコレ?なにそれ〜!」と言ったら、娘は「その言葉が欲しかったんです!!」といった感じで、顔を真っ赤にしてニッコニコしながらめっちゃ嬉しそうにサンドイッチを頬張っていた。パーフェクトコミュニケーションだったようだ。よかったよかった。











